ヴォイド・シェイパ

なんというか不思議な話という言葉になってしまうのが悔しいくらいわからん。スカイクロラの世界で登場人物たちなどを侍にした感じなのだけれど、単純にそういっていいのか。でも感じる空気は似ているんだよね。
ヘタな時代劇よりよぽど剣の道を表しているような気もする。精神論的な武士道を物語りにしたらこうなるというか。剣豪のインナースペースを表したというか。違うんだろうけど。
なまじっか変な風に時代劇という手法があるだけに、恐らくこれを映画なんかにしたら失敗するだろう。逆に外人に作らせた方が面白いかもしれない。今度なんかやるんじゃなかったけ? 忠臣蔵かなにかを外人が。忠臣蔵は剣の道というよりは忠義の話だから、ちょっと微妙な気はする。ぎゃくにこの話のような世界であれば、世界を問わない気がするので、日本人じゃない人が実写にしてもよい形にできるのではないかとちょっと思った。でも別に実写化して欲しいわけじゃないけどね。
そういえば、永久にリセットされる脳っていうのも発想としては面白い。
これシリーズらしいので、次を楽しみに待とう。森博嗣はちゃんと本を出してくれるから好きだ。本人はそれが作家として当然と考えているから改めてこうして言うことではないんだろうけど。こんな風に継続して作品を出していけるかどうかが作家としての資質なら、世の中の作家は似非がつくのが多いかもね。でも人生で唯一の1冊というのも面白いとは思うんだ。