ヴェサリウスの柩

最初に目をつけた理由は思い出せないが、数ページ立ち読みして腹腔に「ふくくう」とルビがふってあったので購入した。そんな理由でも購入理由にはなる。
そんなに根を詰めた本読みではないので、本格の骨格とかはわらない。だからこの作品が本格としてどうなのかは知らん。でも一応面白いとは思った。それでも最後の最後の詰めは誰が誰かは分かってしまうが。そういうのは本格としてどうなんでしょうか。
解剖学教室をベースにした推理モノだと鬼籍通覧シリーズがあるが、解剖に進む人にはなにかトラウマが必要なのだろうか。興味だけでそっちに進む方のはおかしいのか? と思ってしまいたくなるくらい、両方に出てくる女性医師はトラウマ持ちだ。別にそれが悪いとは思わないが、中には解剖が好き!という人が出てきてもいーじゃないかと思う。ましてやどちらもそのトラウマ絡みで死者の声や姿を知覚している。それが幽霊かどうか、はどうでもいい。ただ類型パターンとなってしまうのはどうかなと思うだけ。別になってもいいんだけど、そういうキャラは一人でいい。
あと梶井のイメージがエヴァの加持に似て見えるのは、私が腐れているからだろう。
医者になるときに見られるのは基本的には頭の出来であって、人格や人間性ではない。それでもその後研究室に入ったりする時に、そう言う所を見られることもある。それはその教室の考えだ。ぶっちゃけ医者だって玉石混淆だ。印象だけで語ってしまえば、玉の割合は年々減っているように見えるが。研究熱心であれば、ある程度ずれて行く部分もあるだろうとは予想する。理解できないけど、何故か女性に持てる男性も確かにいるし。

いわゆる都市伝説化しているプールが昔はあったらしいのは良いけれど、こんな目にあうのは絶対に嫌だ。読んでるだけで気持悪くなった。